model cars #92 1/32特集作例「ボンネットバス」

バス製作編フィギア製作編ストラクチャー製作編

model cars #92号 1/32特集の作例として作った「田舎のバス停」です。キットはアリイのボンネットバスBXDを使用しましたが、後の地面、ストラクチャー、フィギアはすべてスクラッチです。製作期間は約40日ですが、1日2〜3時間程度の製作ですからそれほど時間は掛かっていません。楽しくて懐かしい「昭和」の情景を皆さんも作ってみてはいかがでしょう。

完成写真(クリックで大きい画像表示)

バス製作のポイント

キット

アリイ(旧LS)製の1/32ボンネットバスBXDです。ご覧のようにノーズ部分と本体部分は色が違ってディカールを貼るとだいたい箱絵のようになります。このまま作ってみても良い雰囲気ですね。
でも、それじゃ作例にならないので違うカラーリングにします。色々考えましたが完全フィクションの「鶴亀交通」仕様にします。(なんじゃそら?)


ドアの改造

下地作りはいつもの通りスジ彫り、ヒケの修正、パーティングライン取りなどですが、今回はバス停を表現するのでドアが開いて乗客が乗り降りしているところを表現してみたくなりドアを開く事にしました。


ドアの改造2

バスのドアは折りたたみドアですからいったん全部切り取り、それから2つに切断、それを折りたたんだ状態で表現します。塗装があるのでこの時は仮組状態です。
キットには表現されていないドアハンドルや、ロッド類をプラバンや洋白線で表現します。


ドアの改造3

完成したドアをボディーに仮組したところ、ステップの位置がボディーと合わず隙間が開いてしまいます。ガチョ〜ン!(上の写真参照)
そこで、プラバンを使いステップを下に下げる事にしました。シャーシ側の室内が上げ底になっているせいでしょう。まぁ、これくらいの事は良くある事です。2段目のステップが異常に高くなってジジイにはチョットきついかな?まぁ、目をつぶって下さい。上げ底シャーシを下げる事は時間的に無理でした。


ボンネット回り

アリイのキットの特徴はバックミラー、ワイパーなどの細くなければいけないパーツがチョット太いというところですなぁ。
ロッド類は切り取って洋白線や真鍮線で作り替えれば簡単にディティールアップ出来ます。
塗装する時はメタルプライマーを塗ってやればOKです。


マスキング

レトロな感じにラインを入れます。
ネットで調べたバスや昔の思い出を元に自分流にラインを決めました。
ベースとなるアイボリー系の色を塗って、マスキングテープでラインを引きます。丸いラインはテンプレートを使ってカットすれば簡単です。


ライン塗装

はい、こんな感じに出来ました。

この後、ディカールを貼って、クリアーを吹いて、お約束の研ぎ出しですが、今回の説明では省略。


窓枠

窓枠サッシはバスだけにたくさん有るので大変ですが、ベアメタル(糊付き銀紙)をはりました。まぁ、これだけで1/24乗用車の4台分はありそうです。


看板

ディカールはほとんどコンピュータで自作しました。「鶴亀交通」もそうですが、昭和30年代を郷愁させる様にレトロな看板です。
色遣い、フォントもレトロな感じが良いですね。


汚し

田舎の道は舗装なんかしていません。だから当然、ホコリ、泥汚れが一杯付いています。だけど、ダンプとは違ってバスは毎日綺麗に洗車するはずです。だから、車体上面あたりはウォッシングで少しやれた感じ、足回り付近はホコリ、泥汚れを表現します。
エナメル塗料やパステルの粉で自然な感じに汚します。この”自然な感じ”というのが一言では難しく…。まぁ色々やってみたら良いですね。


内装

これはまだウェザリングをしていない状態の塗装です。ステー、手すり類はアルクラッドllでメッキ調。床は木目調。シートは起毛の布地調に塗ってみました。
この後、エナメル塗料、パステルの粉で汚します。


組み立て

ウィンドーなどを入れて最終組み立てです。ヘッドライトやテール部分にもホコリ汚れを施して完成です。
どうです?汚いバスでしょう?でも、このままだと汚いだけのバスですから次にベースやフィギアを作っていきましょう!



フィギア製作

パテ

さぁ、問題のフィギアの製作ですが、普通1/35MMシリーズのフィギアを改造して作るのですが、今回はほとんどの部分をスクラッチしてみましょう、その方が色々なポーズが取れるし、1/32というスケールも容易に作れます。

パテはセメダイン木工エポキシパテ、田宮模型エポキシパテの速乾タイプです。


顔その1

最初は田宮模型のエポキシパテ(高密度タイプ)のほうが良いのかと思いかと思って使っていましたが、その後、お世話になっているmamoさんより”速乾タイプ”のほうが良いよとのアドバイスで切り替えました。これは高密度タイプです。


顔その2

爪楊枝の頭にエポキシパテをよくこねて、小豆か大豆大に丸めたモノを付けます。それを人の顔のように成形していくのですが、小さな顔なので結構難しいです。これもmamoさんに聞いたのですが、爪楊枝の先を瞬間接着剤でコーティングした物を水でチョット濡らして成形していくとベタベタくっ付かず作業がやりやすいです。
しかし、だんだん顔になっていくと”楽しい、楽しい”もう思わず笑いが出てくるほど楽しいです。ちなみに一番右は風呂敷包みです。


胴体

顔が出来たので胴体です。0.7mm真鍮線をだいたいの形に切って、ハンダで固定します。それに基本となる”胸””腰”などを木工エポキシパテを練ってくっつけます。手や足、腰などを動きに合わせて曲げておきます。
この時、頭は接着していません。


胴体2

木工エポキシパテで手足を作ります。この部分は基本となる部分なので細かいディテールは気にせず適当に付けていきます。真鍮線には付きにくいので根気よく付けていきます。足がチョットくらい長すぎても気にしません。後で切れば良いのだから…。手首、足首もまだ接着しません。


手、足

胴体のだいたいの形が出来たら今度は手首、足首を付けます。これは作るのも大変なのでタミヤの1/35MMシリーズの兵隊さんのジャンクパーツから適当なモノを選んで付けます。(ボクは爆裂ちゃんからたくさん譲ってもらいました)

手足が付いたら今度は服や全体の形を整えていきます。


胴体ディティール

今度はタミヤエポキシパテ(速乾タイプ)を練って、全体に付けていきます。顔を作った時のように爪楊枝で少しずつ形を整えていきます。画像はズボンを作っているところ。本や自分の履いているズボンを参考にしてシワを付けていくと感じが出ます。


胴体ディティール2

次に上半身です。下半身と同じようにパテを付けて形を整えます。


胴体ディティール3

自然な感じになるようにシワや合わせ目を付けていきます。襟などは結構難しいので実際のコートやジャケットを眺めて作るといいね。


だいたい完成

ボタンはポンチで型を付けてみました。


塗装

ここまで来たら後はプラモデルを塗るのと同じ要領です。下地が大切なのでサフェーサーを塗っておかしいところは修正を入れていきます。


塗装2

ベースの色はラッカー系で塗り、上塗りはエナメル系塗料を筆でゆっくり塗っていきます。艶は押さえた方がリアルですね。



ベース、ストラクチャー製作

バス停1

ストラクチャー、ベースですが、これらはキットが有りませんから自作します。
先ずバス停ですが昭和30年頃のバス停と言えばいわゆるほったて小屋です。適当な角材とトタンで作った簡単に雨がよけられるモノですよね。だから、3mm角材(檜)とバルサで骨組みを作ります。接着は木工ボンドですね。


バス停2

骨組みが出来たらトタンを拭きますが、よくダンボールの波状になったモノを使っていますが、ウチには適当なモノが無かったので、アルミ板の薄いものを利用し、波トタンを自作します。
それにサフェーサーを吹いて、出来上がった骨組みに接着します。その後、雨汚れ、ホコリ汚れなどを表現しますが、これは油絵の具のセピアなどを薄めに溶いて流すように塗ります。


電柱

電柱は檜の丸棒にサンドペーパーの目の粗いモノを使って木目を入れます。
碍子はプラ棒、ステップは洋白線、街灯はアルミ板とプラバンからのスクラッチです。


ゴム動力飛行機

子供の頃”竹ひご飛行機”といって刈り入れの済んだ田んぼで飛ばして遊んでいました。よく飛んだ日はお父さんに「今日はスッゲー飛んだよ」って言っていたモノです。
その飛行機を再現してみました。角材を細く切って、翼の竹ひごは真鍮線で作り、プラバンでリブを作りました。チョット透けた感じの”紙”はトレーシングペーパーを貼って、翼端をクリアーレッドで塗装しました。


ベース

パネル板に発泡スチロールを接着し、道路と田んぼの高さを計算しながらのり面をカッターナイフで切り取ります。
出来上がったバス停、バス、フィギアを配置して仮組です。
この段階はフィギアはサフェーサー状態です。


ベース2

発泡スチロールが接着できたら壁補修材Dufexを塗りつけて下地を作ります。
乾燥したら後から削る事も可能ですから大胆に塗っておきましょう。


ベース(塗装)

塗装は水性アクリル塗料を塗り、その上からとの粉を茶こしで振り掛けたり、その上にまた筆に染みこませた塗料を垂らすように塗ったりしながら地面を塗ります。


水たまり

発泡スチロールをチョコッとへこませておいたところに水たまりを作ってみました。
2液型エポキシ接着剤を溶いて、その中にタミヤ エナメル塗料を泥水みたいな色に溶き、エポキシに混ぜて窪みに流し込みます。
ドライヤーで暖めると平滑になっていきます。


田んぼ

田んぼの土は、との粉をまいたところに濃いめに溶いたアクリル塗料の土色をドバッっと垂らしていきます。
その後、稲の切り株を植えていけば刈り入れの終わった田んぼです。切り株は麻ひもをカットして植え込んでいます。


中央が麻ひもです。瞬着で止めておくとバラバラしなくて作業もしやすいです。
そのほか草に使えそうなモノは何でも使ってみます。
園芸センターに売っている水コケなんかも良いですよ。


ベース完成

草を刈り取っている途中を表現してみました。道路脇には小石を並べたり、小さな草を配置します。

どうです?懐かしい田舎の道になったでしょう。


バス製作編フィギア製作編ストラクチャー製作編


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