「ブタ小屋」

Web上でのコンペ「ダイコン」に出すために制作した情景です。しかし、結局納期に間に合わず、「ダイコン」にはトラックはT360を使ったもののベースは以前のミゼットに使ったもので参加しました。と言うのも「ダイコン」に参加表明したのは締め切り半月前だから無理と言えば無理ですねぇ。
結局この作品は「第15回静岡ホビーショー 合同作品展」で「昭和の郷愁 さんにい情景友の会」のブースに飾ったのが最初となりました。

そもそも、なんで「ブタ小屋」なんか作ったかと言いますと。
ボクが小学生の頃、ウチの家業は製麺業だったのですが、両親の趣味と言いますか道楽みたいな事でブタを飼っておりました。その当時結構あっちこっちでブタを飼っている人は多く、いわゆるブームだったのでしょうか?
当然、ブタを大きくして売るわけですが、先ずは子供(子ブタ)を生ませて、それを大きく育てる訳ですね。ボクの記憶ではだいたい一頭のブタは15頭くらいの子供を生みます。その子ブタがかわいいのなんのって…。当時、ペットの犬なんか飼っていませんでしたからその子ブタが小学生のボクにとってまさしく”ペット”なのですよ。

学校から帰ったら先ず子ブタを見に行くのですね。ブタ小屋ってそりゃ臭い!臭いけど見たい。かわいいから…
だけど、子ブタたちがくるまって寝ている所はとてもきれいで、”わら”がクルクルっとカールしてまるで小鳥の巣みたいな感じなんですよ。そうこうしていると子ブタはみるみる大きくなって出荷されたり、別の小屋に入れられて親ブタらしく汚くなっていくのです。

これだけ書くとブタを飼育するって簡単そうですが、生き物ですからそりゃ〜大変です。食べる事からウンチの後始末、時には脱走してそいつを捕まえる仕事まで大人がやっていたのです。しかし、子供はペット感覚。
まぁ、そう言う子供の頃の懐かしいシーンを情景模型にしたくてコレを作りました。

子供の頃のブタ小屋とはとはずいぶん違いますが、雰囲気はこんな感じに汚いです。(本当はもっと大きな小屋で、屋根も全体を覆っていました。)
ウチのオヤジはこんな男前じゃないし、ホンダの軽トラックなんか乗っていませんでした。トヨエースでしたね。

この情景を作るに当たり次のような点にこだわってみました。
1,汚い、臭いが伝わるような情景。2,ブタの飼育は大変、お父さんは大変だ。3,子供は脳天気、嬉しい、楽しい。
使用キットはアリイ1/32 ホンダT360、田宮模型1/35 MMシリーズ動物セット。

完成写真(クリックで大きい画像表示)

製作のポイント

ベース

ベースは15cmX15cmくらいのプラスチックの飾り台を利用しました。元々、ダイキャストミニチュアプレーンが乗っていたケースです。つまりタダの廃物利用。
地面となるところには、壁補修材Dufixに木工ボンドを混ぜたものを流し込んでいます。

一段高くなったところはブタ小屋が建所。
半乾きになったときにタイヤの轍などを付けておくと良いでしょう。


地面

地面の塗装です。
ベトベトの泥の感じやブタのウンチまみれのグチャ、グチャ感を出すために薄く溶いたDufixに木工ボンドとアクリル絵の具を混ぜてそれらしい色を作ります。

小皿に乗っているのは”麻ロープ”を細かく切ったもので、コレはブタ小屋の中に敷く”わら”を表現するためのものです。


地面塗装

ブタ小屋のウンチまみれの泥を表現するのにコーヒーのカスを入れてみました。
まぁ、なんでも汚くなりそうなものは色々と入れてみても面白いですが、やりすぎるとかえって変になります。


ブタのくそ

ブタ小屋には無くてはならない”ブタのクソ”です。Dufixを水で溶き、その中に木工ボンドとコーヒーカス、麻ヒモを細かく切ったもの、乾燥パセリなどを混ぜ込み、水性アクリル絵の具でそれらしく着色します。後は”ベチャ”っと乗せます。
乾燥したら、ぬめり感を出すためにアクリルクリアーを筆で適当に塗りつけて完成です。
クソにたかる銀蝿を作ればよかったですね。


駐車スペース

軽トラックを止めるスペースですが、当然ココも舗装はされていませんから轍が出来たり水たまりがグチャグチャ状態です。
水性アクリル絵の具でしめった土の色を塗っていきます。


フィギア

今度はフィギア制作です。
このシーンではお父さんと子供の2名です。
田宮模型のエポキシパテ(即乾タイプ)で先ず顔を作ります。爪楊枝を使って顔の表情を作ってみました。
子供は、「ワァ〜」っていう表情にしたつもりですが…


フィギア2

ポーズを決めていきます。真鍮線(焼き鈍したタイプ)を大まかな形に半田付けし、クニャクニャと曲げてポーズを付けます。その際、実際のクルマや小道具が有れば決めやすいです。手と足首は1/35MMシリーズから拝借です。
その後、木工用エポキシパテを使い体の肉付けをしていきます。このパテの方が肉付けには向いています。


フィギア3

木工用パテが乾燥したら今度は体のディティールを田宮模型のエポキシパテで作っていきます。顔と同じように爪楊枝で腕の形、シャツ、ズボン、ベルトまで作り込んでいきます。(画像の足はまだ木工パテが残っている)


フィギア4

形が出来上がったらサフェーサーを吹いて全体のバランス、不具合などをチェックします。

お父さんの腰に付けたタオルは別に作って、後から接着した方が作業が楽です。


フィギア5

塗装はプラモデルを塗るのと同じ要領です。顔や手の基本色はMrカラーで塗っておくとエナメル塗料で目玉やコントラストを付けるときに楽に行えます。

同時にブタの塗装も行っておきます。


ネコ車

岡山では”ネコグルマ”といいますが、一家に一台は必ずある田舎の必須アイテムです。しかひ、このキットは発売になっていませんから作る事にします。
真鍮線を半田付けし、タイヤは以前作っていた1/100 DC-3のメインギアから拝借です。


ネコ車2

いわゆる船の部分はプラ板から作ります。バルサで形を削りだし、あぶったプラ板を押しつけて形を成型すればOKですね。縁はエバーグリーンのプラ棒を接着しました。


ネコ車3

塗装を施し、汚しを付ければ完成です。

トラック(T360)は素組ですから今回、制作記は省かせて頂きます。
これも一応研ぎ出しまで行い、それから部分的につや消し、ウェザリングを付けると良いでしょう。ウェザリング塗料を使うと簡単です。


ブタ小屋

ブタ小屋本体はバルサと檜角材で作ります。
本来はもっと大きな建物ですが、模型的にこじんまりと作ってみました。
掘っ立て小屋なので長さも適当で良いでしょう。


ブタ小屋2

トタン屋根はアルミ板から作ります。
洗濯板状の凹凸のある板にアルミ板を乗せ、堅い棒で波状の形を付ければ簡単に出来上がり。メタルプライマーを塗りサフェーサーを吹けば艶の消えた波トタンが出来上がります。


ブタ小屋3

小屋の塗装ですが、これも汚い感じに塗っていきます。バルサなので染みこみが激しいので今回は油絵の具を使ってみました。
乾燥は遅いですが、色を重ねていくのに適しています。


樹木

庭から拾ってきた枯れ木にディオラマツリーを差し込んで接着します。このままだと色が合わないので、全体に幹の色を塗っておきます。


樹木2

木工ボンドで葉っぱを枝に付けます。乾燥パセリとかディオラマパウダーでOKですが、乾燥パセリは時間の経過で色が褪せてきますから最初から塗装をしておくと良いでしょう。


水たまり

最後の仕上げです。タイヤの轍、水たまりに泥水を入れます。
5分型エポキシ接着剤(透明タイプ)にエナメル塗料をチョット混ぜて泥水色を作ります。


水たまり2

くぼんだ所にエポキシ接着剤を流し込んでドライヤーで暖めます。こうすると平滑性がでて、水たまりっぽくなります。この時点でトラックを轍の位置に乗せると同時に固定出来ます。


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